Exhibition

着られた指
井田 大介
2019.11.15(金) - 2019.12.14(土) OPENING PARTY : 11月15日 (金) | 18:00 - OPEN : 火 - 土 | 12:00 - 19:00
CLOSED : 日曜日、月曜日、祝日

協力: 株式会社アビスト, アルテック株式会社, 株式会社ストラタシス・ジャパン(五十音順)

井田大介の個展「着られた指」を開催します。本展は同作家のTEZUKAYAMA GALLERYでの初個展となります。

井田大介は、2015年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了した後、翌年にMADアーティストプラクティスを修了。現在は東京を拠点に活動をしています。

貧富格差の増大、過度な生産性重視と人間性の排除、固有の精神文化の崩壊…。近代化・グローバル化が進行する中で、様々な弊害が滲み出てきています。井田は、現代社会における具体的な事象を解体・再構築しながら、上記のような社会システムの歪みやジレンマをテーマに、彫刻や映像というメディアで作品を制作してきました。

例えば、「富士の山ビエンナーレ2016」で発表した「paper wheels」では、インターネット登場以降の製糸業を題材として扱い、グローバル化が地域産業に与えた影響を暗示するような形で、紙のロールと三輪車を使った映像インスタレーションを発表しました。

また、2018年の個展「Photo sculpture」ではロザリンド・クラウス、ボードリヤールを引用しながらインターネット登場以降の彫刻表現、SNS・複製技術時代のアウラの考察、オリジナルとコピー、イメージとリアリズムといった問題を扱った作品を発表しました。

これらの作品は社会構造というマクロ視点のテーマを含みながらも、出発点はいつも「細部」にありました。前述した「paper wheels」は日本の一地方における殊更ローカルな話であり、「Photo sculpture」は個々人がネット空間に投稿した大量の細かいピースでした。

「細部」を考察し、そこを出発点とすることは、リアリティーを持った個人の存在が、どのように「全体」である世界と接続しているのか、または繋がっていくのかを考える作家個人の問題でもあります。井田は、彼が生きてきた時代性や地域性を背景にしながら、大量の〈宿題〉を抱えた社会や世界に対し、ユーモアとフィクションを交えながら「問い」を投げかけています。

井田はこの半年間、マネキンについて取材と撮影を重ねてきました。その中で、写真の発明を契機に、ギリシャ彫刻以来人間が抱いてきた理想の身体が失われ、それに代わってマネキンが理想の身体を世俗的に表してきたのではないかという考えに至ります。

本展では、インターネット以降の地域産業などと、近代マネキンの歴史を緩やかに交差させながら、欠損した古代彫刻と各時代の象徴的なマネキンなどを組み合わせた彫刻 *3や写真で構成します。インターネット以降の彫刻表現を実践してきた井田が、近代化に伴い輸入された「彫刻」に新たな視点を与える試みに注目しながら、ご覧頂ければと思います。

プレスリリース[PDF]