皮下の過激から理性への回帰
栗棟 美里
2016.10.07 金 – 10.29 土

この度、TEZUKAYAMA GALLERYでは栗棟美里の個展「皮下の過激から理性への回帰」を開催する運びとなりました。

1988年生まれの栗棟は、京都精華大学在学中より自身のスタイルを確立し、現在は出身地である神戸市で精力的に活動しています。
 
栗棟は、版画を専攻していた学生時代より自身が撮影したモノクロ写真を布地に印刷し、被写体から湧き上がるイメージをファンデーションや銀箔など、様々な素材を使い描画を施すという手法で作品を発表してきました。
その基盤となるのは、あらゆる存在や美、時間や生命等の本質を探るといった作家の問いかけです。近年では、ガラスを支持体とした作品など、写真表現をベースにしながらもメディウムにとらわれない自由な視点で制作を重ねています。また、2014年のART OSAKAでの個展ではホテルの客室を舞台に、結婚を迎える花嫁の控え室というコンセプトのもと、インスタレーション形式で空間を構成するなど、表現方法を拡張し続けています。

ギャラリーでは3年ぶりとなる今個展で、栗棟は「27歳の日本人女性」としての自分自身にフォーカスし、大胆にも全作品をセルフポートレートで構成します。作家はこれまで普遍的なテーマを作品に反映させてきました。ですが、作品は普遍とは対極にある自身の体や思考を通して出来上がります。
制作を続ける中で、栗棟にとって「自分自身」はとうとう向き合わざるをえない対象となっていました。タイトルにもある[理性への回帰]は、マン・レイ(1890-1976)が、1923年に発表した映像作品からインスピレーションを得たもの。自身の心象は他人からは可視できない「皮下の過激」であり、それを作品として可視化することを、シューレアリスムへのオマージュという意味で「理性への回帰」 (栗棟美里)としています。一人の人間として、作家としてますます目が離せない栗棟美里の新たな一面をお楽しみください。

カタログデータ (PDF)