2014 Painting Work
岩田 小龍
2015.01.17(土)- 02.14(土)

この度、TEZUKAYAMA GALLERYではニューヨーク在住のアーティスト、岩田小龍による個展「2014 PAINTING WORK」を開催いたします。

岩田小龍は弊ギャラリーでも過去2回にわたり、ご紹介してきたアーティストです。
ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホルなど、当時の時代を敏感に捉え、作品に反映させていたポップ・アートの影響を受けたという岩田ですが、彼自身の作品においても、多様化する現代のエッセンスを作品に含ませる事は重要であり、前述のアーティスト達が雑誌や広告、報道写真などを素材としてそのまま用いる事で、その時代性を表現したように、岩田の作品も現代の広告やインターネット上に溢れる画像データなどから着想を得ているという点で彼らとの類似性が見てとれます。

岩田はモチーフとなるオリジナルの広告やイメージを一旦ドローイングとして描きおこし、その拡大したデータをキャンバスにトレースした後、アクリル絵の具でペイントをしていきます。その手法は岩田の作品において一貫するものですが、デジタル処理で滑らかに作られたオリジナルの広告やイメージ、また、そこに表記されているキャッチフレーズや文字までもそのまま描く事で、作者自身の思考を隠蔽する無機性と、ドローイングという作者の個性が強く表われる有機性を両立させた画面に仕上げています。
近年はペインティングの上からシルクスクリーンを使って、パターン柄を重ねた作品も制作しています。これは日本の多くの漫画で、その仕上げの際にスクリーントーンを用い、手書きでは困難な空間描写を実現するための技法から着想を得たものですが、似たような効果を自身のペインティングにも取り入れようと試みたシリーズです。また、これまでの制作手法と同様、有機的なドローイングの上から、シルクスクリーンによる無機的な効果を併せることで、彼独自の画面を実現しようとしていると言えます。

岩田の作品は今日的な物事をモチーフとして扱いながらも、そこに有機性、無機性という二つの要素を画面に同居させ、観客の視点や思考を様々に及ばせる事で、作者自身の意図とも離れた、多様な解釈を可能にする作品となっております。本展では、主に2014年に彼の活動拠点であるニューヨークで制作、発表された作品群の中からセレクトしたペインティング作品、約十数点を日本で初披露致します。