「LIFE IS STEELFULL!」 加藤智大 2012.05.25 金 - 06.16 土
2_s鉄茶室 「徹亭」, 2012, steel, 240 × 263 × 290cm このたび、テヅカヤマギャラリーは1981年東京生まれのアーティスト加藤智大の個展「Life is steelfull !」を開催致します。 多摩美術大学大学院を修了後、金属加工会社に勤務しその腕を磨き、アーティストとしての自歩を固めた加藤は一貫して「鉄」という素材にこだわり、その表現の可能性に挑戦し続けてきました。 キャンバスの代わりに鉄板を木枠に張った「絵画」や、大量生産の電球や刷毛といった日用品を鉄で細部まで精巧に模倣した作品、ビジネススーツに自作の鉄製ネクタイを着用し何食わぬ顔で山手線に乗るといったパフォーマンス、鉄製のハガキに切手を貼り、そのまま購入者のもとへ郵送するというコンセプチュアルな作品など、彼は実に多様なアプローチで制作を行いますが、それらはすべて、鉄という媒介を通じ、「物質」あるいは「物質と社会」について、我々に鋭く問いかけてきます。 そして今回、関西では初となる個展で加藤が取り組むのは、日本の伝統文化である「茶道」です。 彼は、昨年の東日本大震災とその後の社会の様々な動きを目の当たりにし、自らが生まれた日本という国を強く意識するようになります。それは、この国の伝統文化、そして大学で金工を学んだ彼が卒業後意識的に距離を置いていた日本の工芸の世界にふたたび目を向けるきっかけともなりました。 本展覧会で加藤は、建屋や床の間、掛け軸、茶道具や生けられた花にいたるまで全てが鉄でつくられた茶室をまるごと、ギャラリーの空間内に設置します。茶道に用いる道具や調度はそれぞれが工芸の粋であり、同時に茶室という空間を構成する要素でもあります。そして、茶道において茶室は凝縮された宇宙であり、茶席の一時は永遠をあらわします。展覧会タイトル「Life is steel full」は、鉄とのかかわりに満ちた加藤の作家人生そのものと言えますが、土や木、竹といったさまざまな素材が鉄に置き換えられた茶室の濃密な空間に身を置けば、鑑賞者も同様に、自身のすべてが鉄に抱かれるような不思議な感覚が呼び起こされることでしょう。 なお、5月26日におこなわれるオープニングレセプションでは、出展作品である鉄の茶道具を用いた茶会の開催を予定しております。皆様のご来席を心よりお待ちしております。