写真: 守屋友樹

The Glory (of phenomenon): Act I
山下 耕平, 須賀 悠介
2015.06.30 火 – 08.01 土

京都を主な拠点とし制作を行う山下耕平は、登山という行為を自ら経験することで得た記憶や素材、またはアウトドアカルチャーを用いながら、一貫して遠近や現在位置などの距離感覚を、コラージュ的技法を軸に表現してきました。一方、東京を中心に活動する須賀悠介は、創造や破壊など対立する二項を包括的に捉え、デジタルとアナログの間を行き来し、彫刻をフィールドに制作・発表をしています。

2013年夏、京都でのグループ展をきっかけに知り合った二人は、遠近という問題を扱う山下に対する「(中景)というものをどう捉えるか」という須賀の問いかけを発端とし、お互いに山に登るという共通点から、2014年秋、長野県と富山県にまたがる北アルプス後立山連峰のテント泊縦走登山を行いました。

この一連の行動は、山下がこれまで空白として捉えていた遠景と近景の中間領域をボリュームのある空間として捉え直すことを可能にし、須賀はその強烈な体験から触覚と視覚のあいだにある感覚を再認識するに至りました。

Glory”とは、太陽を背にし、雲や霧によって差し込む光が散乱され、見る人の伸びた影の周りに、虹輪となって現れる大気光学現象のことで、光輪またはブロッケン現象などと呼ばれています。今回、展覧会タイトルとして、尾根上から見る人と広がる風景の中間地点に立ち現れた“Glory”を用いています。

カタログデータ (PDF)