「机上の空砲」 後藤 靖香 2013.04.08 火 – 04.26 金
s_goto このたびテヅカヤマギャラリーでは、本年度の咲くやこの花賞受賞者 後藤靖香による個展「机上の空砲」 を開催致します。2013 年 1 月、シンガポールで開催されたアジア最大級のアートフェア ” ART STAGE SINGAPORE 13” に出展された 本作品は、1942-45 年シンガポールが日本軍支配下であった時代の昭南植物園(現 シンガポール国立植物園) で共に働いていた国籍の違う3人の植物学者を描いた大作です。 1982 年に広島に生まれた後藤は、幼少期より祖父や大叔父の戦争体験を聞き、その過酷な時代を生き抜いた 人々の強さに惹かれ、それらをテーマに作品を描いてきました。国立国際美術館「絵画の庭」展、VOCA 展やテヅカヤマギャラリーでの個展等、” 戦争” が後藤靖香の主な テーマとして皆様の印象に残っているでしょう。しかしながら、大阪名村造船所跡地での展示「床書キ原寸」にみられるように当時現場で働いていた若者たちに 焦点を当てて取材し作品に仕上げるなど、その時代を懸命に生きた同世代の若者たちの姿を描く事こそ真の テーマであると言えます。 今回の出展作品「机上の空砲」に描かれているのは、日本人である郡場寛博士、英国人の E・J・H・コーナー博士、 そして日系シンガポール人であった助手のアーサー・アルフォンソという敵味方の別や国籍を超えて協力し、 植物園を守った人々です。 いつものように、綿密なリサーチに制作時間のほとんどを費やし、一気に描き上げた作品は、昨今の現代美術に よく見られる如才のないタッチとは趣を異にして、荒々しい墨の筆致でダイナミックに表現されています。 本展覧会では、かつてシンガポールが日本の統治下だった頃の逸話がモチーフとなっており、描かれている人物、 郡場博士の調査の為に後藤は青森に出向き取材しました。それらの調査報告に加え、シンガポール現地での 追跡調査の発表も予定しております。 シンガポールでの発表のために制作された本作品は、日本では初お披露目となります。