a view 分解と再構成

a view 分解と再構成

添野郁

2012.4.20. Fri-2012.5.12. Sat

添野郁 展覧会「a view 分解と再構成」 プレスリリース案 改稿

 このたびテヅカヤマギャラリーでは、国内外で作品を発表し多くの支持を得るアーティスト添野郁(そえのかおる)の展覧会「a view分解と再構成」を開催する運びとなりました。
 添野の作品は交差点や駅など、雑踏の一風景です。しかし人が往き来するシーンから建物などの情報を省いていき、より人物に焦点を合わせる為にモノトーンのグラデーションで描くことで、いつも目にしている光景が全く違ったものになります。そしてそこに現われる、まるで無とも言える情景に、自身が新たなストーリーを描くような感覚を鑑賞者に与えるのです。

 添野は作品制作の動機に、視点が変わることの面白さを挙げています。

 意味を削いでいくことで、それまで見えなかった側面が見えてくる面白さを、彼女は街中の人の往来から強く感じると言います。それは彼女にとって雑踏が、身近でありながら程よい距離感を持っているためでしょう。

 添野は新しい視点を生み出すこのモチーフの魅力を「分解」しながら、作品として発表してきました。

今回はタイトルにもあるように、これまでの制作からもう一歩踏み込んだ、往来や人混みから感じる騒がしくも希薄な感覚を、ギャラリーという空間で「再構成」するという試みがなされます。

 約3年半前にテヅカヤマにて開催された個展では、連続した28点の雑踏のシーンの作品を三面の壁に整然と展示するという、空間を生かしたものでした。今回もまた違う角度から空間を意識し、約40点の出品予定作品は添野独自の面白い再構成がなされた展示になることでしょう。