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ヒュッテにて
山下耕平
2013.5.10 Fri-2013.6.1 Sat
このたびテヅカヤマギャラリーでは、約2年ぶりとなる山下耕平の個展を開催致します。
1983 年、茨城県に生まれた山下は京都市立芸術大学大学院造形構想専攻在学中より「遠近」や「スケール」などの普遍的なテーマを、宇宙や登山といった彼自身が強い思い入れを持つモチーフをつかって解体し、再構築したインスタレーションとして発表してきました。 2007 年の学内制作展「月の歌 /Moon song」や 2009年に京都 Antenna AASにて開催した矢津吉隆との二人展「ヨルヤマ /Night Watching」では展示空間を緻密な構成によって変貌させ、また、Art Osaka 2011 で話題を集めた「moon」では、200 メートル以上離れたビルに設置したオブジェクトを会場である26階のホテル客室から天体望遠鏡で観るという作品を発表するなど、その制作活動は常に注目を集めています。 今回の展覧会では、これまでとは異なったアプローチ、すなわち、事前の綿密な計画どおりに制作を進めるのではなく、ただヒュッテ ( 山小屋 )≒箱という素材のみを設定し、制作の過程で全体像を浮かび上がらせるという手法を用い、新しい表現に挑戦します。
今、制作をしている。 根拠も確信もないまま手を動かしている。
言葉、イメージ、かたちは次々と泡のように浮かんではくるが、なかなか繋がってはくれない。 ふと気がつくと、箱が増えている。 この矩形の構造物は空白であり、山上に建つ「ヒュッテ」とは対義的な存在かもしれない。
バラバラの言葉、イメージ、かたちが空間に配置された時、どのように繋がっていくのかを、私自身楽しみにしている。 山下耕平