Viewing Room
DELTA Exhibition
Various Artists
2021.07.02 Fri - 2021.07.31 Sat
*ART OSAKA 2021開催期間中の18日(日)、19日(月)は特別営業を行います。
昨年、TEZUKAYAMA GALLERYの両スペースを会場に開催したアートフェア「DELTA Experiment」。
既存のアートフェアとは異なる視点でギャラリー、アーティスト、コレクターを繋ぐ新たな「場」の創造を目的に、国内3都市(東京/大阪/京都)から先鋭的な企画展やアーティストを発信している7軒のギャラリーでスタートしました。
今展は「DELTA Exhibition」と題し、初回に参加した各ギャラリーから新たにアーティストを厳選し、展覧会形式でご紹介いたします。
DELTA Executive Committee
岡田 慎平 / 高橋 亮
大江慶之 | Yoshiyuki Ooe (TEZUKAYAMA GALLERY, Osaka)
1980年、大阪府生まれ。成安造形短期大学造形芸術科専攻科を卒業。 作家としてのキャリアをスタートした当初は平面表現を中心に活動していたが、その後、独学で立体の造形技術を習得。 「視点を変えることで、イメージが持つ意味や認識が変化すること。」をテーマに制作。作品には体操服を着た少年がたびたび登場し、それらと髑髏 (どくろ) や鶏頭、昆虫などの異質なモチーフとコラージュ的に組み合わせることで固有の文脈から切り離した状態にし、新たなイメージへと転換させる。既存の物事を様々な角度から捉え直し、新たな関係性や認識を生み出そうとする大江の作品は鑑賞者それぞれの自由な解釈を可能とし、想像力を掻き立てる。主な展示に、個展「ボーズ ボーンズ ボーン」(TEZUKAYAMA GALLERY / 2018)、「ART TAIPEI 2018」(Taipei World Trade Center / 2018)、「ART 16」(Olympia London / 2016)等。
香月恵介 | Keisuke Katsuki (EUKARYOTE, Tokyo)
1991年福岡県生まれ。2016年東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域 修了。モニターの表示構造である画素(ピクセル)を絵画で再現し、画面の発光を絵具に物理的に置き換える「ピクセルペインティング(pixel painting)」を主に制作する。クロード・モネやJ.M.W.ターナーの絵画の援用や、RGBライトを使用した「Lux」シリーズを手掛けるなど、現代における光と絵画の関係性を考察している。 主な個展に「ELAPSE」 (SEZON ART SHOP / 2020)、「Hope’s harbinger」(EUKARYOTE / 2019)等。
金光男 | Mitsuo Kim (LEESAYA, Tokyo)
1987年大阪市に生まれ、2012年に京都市立芸術大学大学院を修了。在学中から精力的に制作を続け、卒業後は「VOCA展2014」奨励賞を、2016年には「京都市芸術新人賞」を受賞します。2014年、金沢21世紀美術館での注目の若手アーティストを個展形式で紹介する企画「APERTO」では、第一回目のアーティストに抜擢されるなど、国内外で活躍しています。 金はシルクスクリーンの技法を応用し、パラフィン・ワックスによってパネルにイメージを定着させています。モノクロのイメージは金自身が撮影した写真を使用しており、彼の眼差しをそのまま映し出します。転写されたイメージにあえて熱を加え、溶けて崩れながら固められた作品は、在日コリアン3世として日本に生まれ育った、自身の社会的な不安定さや曖昧な状況を投影しています。彼の作品群からは、現代において非常に多くの人々が共有し得る様々な感情を重ね見ることができます。
永井天陽 | Solaya Nagai (HARMAS GALLERY, Tokyo)
永井天陽は1991年生まれ、2016年に武蔵野美術大学彫刻コースを修了しました。
2014年には奈良美智氏の選抜により青森県立美術館の八角堂にて個展を行いました。永井の制作は一般的な認識や常識的なルール、振る舞いなどに対する問いかけが軸となっています。中心的な作品群として、身近にある雑貨や置物などの物体をかたどった透明アクリルの型に、関係のないぬいぐるみや人形を封入した「metaraction」シリーズと、かつて生きていたもの×既成品という組み合わせで制作される「urnto」シリーズがあります。主な展示に「ぬるまるつぼ」(HARMAS GALLERY / 2021)、「フープとホール」(THE POOL / 2021)、「名無しのかたち」(武蔵野美術大学 gFAL / 2018)、「北に歩いて南へ向かう(青森県立美術館八角堂プロジェクト PHASE2014)」 (青森県立美術館八角堂 / 2014)。
彦坂敏昭 | Toshiaki Hikosaka (FINCH ARTS, Kyoto)
1983年生まれ。現在、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程(彫刻領域)在籍中。人が他者や事物をわかる(わかり合う)ことに強い疑問と関心を持ち、「協働」「収集あそび」「ドローイング」の異なるアプローチから他者理解のオルタナティブを示す試みを展開している。2015年にはポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリスとアイスランドに滞在。2009年にはポロック・クラズナー財団(ニューヨーク)より制作支援を受ける。主な個展に大和日英基金(ロンドン / 2017)、AISHONANZUKA(香港 / 2016)、大原美術館(岡山 / 2009)、資生堂ギャラリー(東京/ 2008)などがある。また、イギリス、フランス、リトアニア、マレーシアや、国内では兵庫県立美術館、京都芸術センター、東京都現代美術館などでのグループ展に参加。その他に〈木曽路〉を鬣恒太郎、前谷開と共に主催。京都芸術大学こども芸術学科講師。
松村咲希 | Saki Matsumura (DMOARTS, Osaka)
1993年長野県生まれ、京都在住。2017年京都造形芸術大学芸術研究科修士課程芸術専攻ペインティング領域修了。アクリルペイント、シルクスクリーンなどの複数の技法を使用し、レイヤーと立体感を複雑に持つ絵画作品は、現実世界の風景には感じえない多次元的な景色や感覚へのイマジネーションをも膨らませる。近年の展示に、個展 – see sew scene –ARTISTS’ FAIR KYOTO SATELLITE 2021 (ygion・京都 / 2021)、Combinations(LADGALLERY・名古屋 / 2021)、ART OSAKA WALL(山川ビル・大阪・DMOARTS / 2020)等。
宮田雪乃 | Yukino Miyata (LEESAYA, Tokyo)
1986年三重県に生まれ、京都市立芸術大学大学院を修了後、主に京都で制作・発表を続けてきました。宮田の作品は一見、アクリル画のように色鮮やかで、ドローイングのように軽快な印象ですが、全て版画作品です。版画技法の中でも凹版画に分類される方法で、主に塩ビ板を彫り、プレス機でイメージを刷っています。塩ビ板は刷る際の圧力に弱いため数をたくさん刷ることができませんが、木版画や銅版画に比べてインクの発色が良く、独特なにじみが特徴です。
やんツー | yang02 (FL田SH, Tokyo)
1984年生まれ。2009年多摩美術大学大学院デザイン専攻情報デザイン研究領域修了。デジタル・メディアを基盤に公共圏における表現にインスパイアされた作品を多く制作する。行為の主体を自律型装置や外的要因に委ねることで人間の身体性を焙り出し、表現の主体性を問う。文化庁メディア芸術祭アート部門にて「SENSELESS DRAWING BOT」が第15回で新人賞、「Avatars」が第21回で優秀賞を受賞(共に菅野創との共作)。近年参加した主な展覧会に、「第20回DOMANI・明日展」(国立新美術館、2018)、「呼吸する地図たち」(山口情報芸術センター[YCAM]/ 2018)、「Art Meets 06 門馬美喜/やんツー」(アーツ前橋 / 2019)「東京ビエンナーレ2020 プレイベント」(2019)、「ダークアンデパンダン」(2020)がある。