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Exhibition 2022
築山有城
2022.6.24 Fri - 7.23 Sat
このたび、TEZUKAYAMA GALLERYでは6月24日より彫刻家、築山有城の個展「Exhibition 2022」を開催いたします。
1976年、兵庫県神戸市に生まれた築山は、2000年に京都造形大学芸術学部美術彫刻コースを卒業し、現在に至るまで出身地である神戸に拠点を置き、関西を中心に精力的に活動している彫刻家です。
築山が扱う素材は金属や樹脂、木、塗料など多岐に渡りますが、制作の出発点は常に素材そのものとそこから得る築山の発想そのものにあります。彼自身が「遊び」と呼ぶ実験を繰り返す中から素材固有の特性を捉え、それを作品主題の一部とする点において、築山の作品制作には一貫した姿勢が感じられます。また、作品を構成する要素はシンプルでありながらも、一つのスタイルに固執せず、常に好奇心と柔軟な思考から作品制作へとつなげていきます。
木材に塗料を垂らし、重ねていく行為を繰り返した平面作品や、総重量が250kgの楠の木塊を手鋸で数ヶ月間かけて6分割にした彫刻作品など、途方もない反復行為を繰り返す制作行為そのものが、築山の作品を構成する重要な要素となっています。
TEZUKAYAMA GALLERYでは2017年の個展を皮切りに、10年間に渡って築山の新作での個展を開催する「Exhibition Project」をスタートしました。同プロジェクトの6回目にあたる今展では、ステンレススチールを用いた作品群を展開します。
どうぞ、この機会にご高覧くださいませ。
【アーティストステートメント】
奈良・町家の芸術祭 はならぁと2021では1年4ヶ月の間、手指で新聞紙をちぎり抜く行為を繰り返してコラージュ作品「everyday」を発表しました。自宅でも屋外でもいつでもどこでも自在に制作行為を積み重ねることができ、可搬性に優れるそのメソッドは、私に新たに逆説的なアイデアをもたらします。
重量があり、加工に時間と技術を要し、価格が高騰しているステンレススティール単独素材で新作群を発表できまいか。さまざまな制限がある中で、それらをも作品の構成要素として取り込みながら本展の開催に注力しました。
鈍く、時にギラギラと銀色に光るこのマテリアルの存在感を静かに提示できればと思います。
築山有城