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Exhibition 2023
築山有城
2023.6.30 Fri - 7.29 Sat
このたび、TEZUKAYAMA GALLERYでは6月30日より彫刻家、築山有城の個展「Exhibition 2023」を開催いたします。
1976年、兵庫県神戸市に生まれた築山は、2000年に京都造形芸術大学芸術学部美術科彫刻コースを卒業し、現在に至るまで出身地である神戸に拠点を置き、関西を中心に精力的に活動している彫刻家です。
築山が扱う素材は金属、木、塗料、人工漆など多岐に渡ります。友人から譲り受けたもの、偶然みつけた工場で捨てられていたもの……。制作に使われる素材は人と人との関わりの中で発見されることがほとんどです。築山自身が「遊び」と呼ぶ実験をくり返す中で素材固有の特性を捉え、それを作品主題の一部とするため、場合によっては意図せず浮かび上がった現象をもあえて取り込むことがあります(カシューを厚塗りすることでできるちりめん皺など)。それはある種、一途に作品へ向き合う築山ならではの制作方法ともいえるでしょう。
大半の作品は途方もない反復行為を経て制作され、アトリエには完成までの軌跡が至る所に残されています。塗り重ねることでできた塗料のツララや大木を切断した際に出る木屑、使いきったスティック糊の山など。作品制作の痕跡も含めて展示することで作品の魅力が増し、作家自身をより深く知ることができるのです。築山作品の魅力は、作品の着想や制作過程が作家自身に繋がっていくことにあります。
TEZUKAYAMA GALLERYでは2017年の個展を皮切りに、10年間に渡って築山の新作での個展を開催する「Exhibition Project」をスタートしました。同プロジェクトの7回目にあたる今展では、合板を1200πの円盤に切り抜いたものと手回しろくろを用いた作品群を展開します。
どうぞ、この機会にご高覧くださいませ。
【アーティスト ステイトメント】
友人から譲り受けた陶芸用の手回しロクロ、水性塗料の質感・滴り、乾燥時間、継続して制作していくことによりさまざまな素材の特性を経験し、アイデアは次々に展開していきます。
一つの円盤上に二色の塗料が重力と遠心力によって縦横無尽に流れ、打ち寄せ、混ざり合いながら乾燥していく様子を定着させています。「塗料を流す→回転させる」単純な二工程を繰り返しただけのこの円盤、偶然であり必然でもある塗料の取り留めのない道程になぜ魅力があるのか、会場で実際に観察していただければ幸いです。いち彫刻家としてむき出しの素材感を大切にし続けたいと思います。
築山有城