Line and Territory

Line and Territory

ドミニク・ルトランジェ

2014.10.17 Fri-2014.11.8 Sat

この度テヅカヤマギャラリーでは、2014年10月17日よりDominique Lutringer(ドミニク・ルトランジェ)の展覧会「Line and Territory (ライン アンド テリトリー」を開催致します。

ドイツ人の父とフランス人の母を持ちフランスでの生活から1992 年日本に移り住んだドミニクは、それゆえに気づき感じる日本文化の要素を独自の視点で取り入れ、作品に落とし込みます。

元々日本文化に興味を持ち強く惹かれたために、人一倍観察力を持ったその感覚から表現される作品は、 ミニマリズムと和を融合させた、彼独自の精神から紡ぎ出されています。

和紙とインクを使い独特で繊細な描写は軽快なリズムを持ち、観るものを惹きつけます。ドミニクの表現 は我々に新たな感覚を呼び覚ませてくれることでしょう。

本展では、多彩な手法を使ったドローイング約作品 30点を展示いたします。 是非この機会にご高覧くださいませ。

[ 作家コンセプト ]

事物を目の前にして、それが内包する美に惹きこまれると、抽象的な造形が立ち上がってくる瞬間がある。 その対象というのは、風景や日本の様式、芸術作品、また人の営みが生む雑多な形などさまざまだが、私の中には抽象的な造形美が蓄えられている。

さて、本展 “Line and Territory ” の作品は、ミッシェル・ウェルベックの『地図と領土』という小説のタイトルに触発されて描きはじめたシリーズだ。

白紙にラインを引くことで生じる領域に、前述の造形などのエレメントを建築物のように組み立てる。 日本の様式は物と物のあいだの空間を「間(ま)」と呼んで、主役であるはずの物と同様に大切にする。 私も画面を埋めながら、同時に余白を描いている。

制作にあたって具体的な物や心情を描くことはないのだが、作品の中に日本建築や鳥居の色などの影響を見つけたりする瞬間があって、おもしろいと思った。