水平線と紆余曲折(再)

水平線と紆余曲折(再)

住吉明子

2020.9.11 Fri - 2020.10.10 Sat

この度、TEZUKAYAMA GALLERYでは、住吉明子個展「水平線と紆余曲折(再)」を開催いたします。 1981年千葉県に生まれた住吉は、文星芸術大学卒業後の2005年より作家活動をスタートさせ、現在に至るまで精力的に制作・発表を行ってまいりました。

愛らしい顔の動物たちが暮らす森の情景を、メディウムや表現方法は変われども一 貫した世界観で、絵画から立体、インスタレーション等多岐に渡り発表してきました 。
2011年のTEZUKAYAMA GALLERYでの個展では、緑のハンモック状の巣で眠る動物たちの立体作品を中心に、ギャラリースペースを変容したインスタレーションに多くの観客が魅了されました。

柔らかで可愛らしい表情の動物たちが生まれてくる過程の裏側では、ストイックに制作する住吉の作品に対しての姿勢が見て取れます。 数多くの資料や、図鑑等から動物の習性や体躯を研究しているからこそ、生命力に溢れる新たな生き物が生まれてくるのでしょう。

TEZUKAYAMA GALELRYでの約9年ぶりの発表となる今展は、Main Galleryにて金箔や銀箔を下地に用いた伝統的なモチーフの絵画や大掛かりな二曲一双の金屏風の作品を発表します。また、Viewing Roomでは、過去に制作してきた平面作品と立体作品をご覧いただけます。

住吉明子のこれまでと現在の作品を概観いただくことで、変わらぬ姿勢を貫きながらも進化していく姿をお楽しみいただけるのではないでしょうか。

 

[アーティスト・ステートメント]

私の作り出すものは見た事が無いものでも、 誰も知らないものでもありません。

私は私が知らないものを作り出す事は出来ません。 (いつか)の出会ったものや時間、記憶を紡いで形にしています。

それは(いつか)と今が繋がっているという事です。 水平線と紆余曲折。

一つの水平線に見えたとしても、それはそれぞれがそれぞれの線上を泳ぎ紆余曲折、辿り着いた場所(もしくは通過点)が、今、ここにあるこの水平線として存在しています。
そして、それは一瞬として同じものではありません。 そこには過去がありここに至り、そしてその先(未来)へと繋がっていきます。 昨日食べたもので今日の体が出来ているように、漕ぎ出した自転車が前に進むように、 時間も空間も現実も想像も全てが繋がっているということ、「つまりそれはそういう こと」なのです。

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同じ軸の上それぞれに知ってきたものたちがいる続く森の中でひっそりと広がる水の下で確実に空から木々から地面から青から波から光から曲がり曲がって見つめられ大きな声を透かして笑うそれは誰もが知っていることそれは誰もが出会うこと

昨日と今日今日から明日へここから此処へ何処へでも