Tension and Compression

Tension and Compression

篠田守男

2018.11.16 Fir-2018.12.15 Sat

この度テヅカヤマギャラリーでは、篠田守男さんの展覧会を開催します。

篠田守男さんはテンション彫刻アーティストとして50年以上ものあいだ制作を続け、既に国内外で非常に高い評価を受けておりますが、87歳となった今でも精力的に作品を発表しておられます。

篠田守男さんといえば作品タイトルにもあるように、T&C(tension and compression)という一貫したテーマで制作しています。女性や建物のような物体がワイヤーによって宙吊りされて浮遊している様は、常に緊張感を生み出します。その緊張感の中にこそ篠田守男さんの快楽があります。

1960年代を過ごしたアメリカ時代について語った書籍に「快楽宣言」(南天子画廊:1972)という、作品集というよりかなり私的なものが詰め込まれた、大変ユニークなアートブックがあります。この表題は美術評論家の高階秀爾の発言から思い付いたということですが、その中で、

「積極的な快楽の取得か徹底的な禁欲のなかでのみ、ぼくの制作は成り立つのである。」

と篠田守男さんは宣言しています。

一見相反するように思える「快楽」と「禁欲」ですが、これこそ篠田守男さんの作品「テンション &コンプレッション」に通じるところです。

今回はアメリカ時代に制作した、1966年の大変貴重なものから現在に至るまでの作品、約20点を展示予定です。

さらにビューイングルームでは、筑波大学時代に篠田守男さんの教え子でもあった、タムラサトルさんの展覧会を開催します。今回はタムラサトルの代表作として発表を続けている「point of contact」シリーズより、昨年ドイツウンナでの「」で大賞を受賞した、空間全体を作品に変えてしまうような、かなり大掛かりな展示となる予定です。

篠田守男さんの作品展示は関西では久しぶりです。

さらに師弟関係の展示を同時に見ることが出来るこの機会に、是非とも足をお運びください。